石灰沈着性腱板炎

石灰沈着性腱板炎は、肩を包む筋肉の延長である腱板という部分に沈着した石灰が、これをおおう髄液包を破って強い炎症を起こすものです。

エックス線写真を撮ると、肩峰と上腕骨骨頭の間に沈着した石灰による斑点状の濃い影がみられます。

石灰沈着性腱板炎は、いろいろな関節の周囲にあらわれますが、なかでも肩関節に多くみられ、デュプレー病と呼ばれます。

一般に中年以降に発症しやすく、四十肩や五十肩の原因のひとつで、加齢によって起こる腱板の変性が原因と考えられています。

あるとき、急にどちらかの肩がはげしく痛みます。

じっとしていてもズキズキとうずくほどの痛さで、一晩じゅう眠れないことがあるほどです。また、痛みのために肩や腕が動かせなくなり、肩がはれて、そこを押すと飛び上がるほどの痛みを感じるなど、急に激痛が走るのが症状の特徴です。

化膿性関節炎、痛風と同じような症状ですが、石灰沈着性腱板炎の判定はエックス線投影で石灰の影を確認することで行います。

エックス線投影で石灰の影が骨と重なって見えにくいときは、血液検査を行う場合もあります。転んで肩をぶつけたり、重い物を持ったとたんに発症したときは腱板断裂のおそれがあります。

各種の消炎鎮痛剤の投与や湿布を行うと、数日後には痛みは治まります。

当院では超音波治療を行っています。