手と指のトラブルについて③

手と指の痛みは、加齢により起こることがあります。

年を重ねることによって、身体に変化が起きるのは自然なことと言えますが、手や指は、毎日の生活のなかで数えきれないほど曲げ伸ばしを繰り返しています。

そのため長年の負担が積み重なることで、不具合が起きやすいと言えます。

特に影響が大きいのが関節です。

関節は、2つの骨が繋がっている部分ですが、骨を動かすために複雑な構造になっています。

隣接する2つの骨の間には軟骨があります。軟骨は弾力のある組織で、骨同士がぶつからないようクッションの役割を果たしています。

また、関節は関節包という丈夫な支持組織で繋げられています。関節包の中は、滑液という分泌液で満たされていて、 潤滑油のように働き、関節の滑らかな動きを助けています。

ところが長年の曲げ伸ばしにより、軟骨がすり減ったり、変形したりすることがあります。

すると関節包の内側の滑膜に炎症が起こり、腫れや痛まみが発生するのです。

一度すり減った軟骨は再生することが難しいのですが、そのままにしているとさらに症状が進んで、 トゲ状の骨ができます。

また、加齢により指の骨と筋肉をつないでいる腱、 そして腱を包んでいる腱鞘にもトラブルが起こりやすくなります。

鍵は本来、丈夫な組織であり、腱鞘には潤滑油の役割をする滑液があって摩擦を防いでいます。

しかし、指の関節は手のひらや上腕の筋肉とも連動しながら、複雑な動きをしたり、重い物を持ったりして、 常に大きな負担がかかっています。

そのため、加齢とともに腱鞘が厚みを増したり、硬くなったりすることで、腱とこすれて炎症(いわゆる腱鞘炎)をおこしてしまうのです。やがて、指がスムーズに動かすことができなくなることもあります。