親指で背中を押す
前項に続き、親指を使って背中を押圧する施術を行います。術者の体重を乗せるような感覚で行うのがコツです。
交通事故などで頸椎に強い衝撃を受けると、骨折や損傷を防ぐため、頚椎を取り巻く周辺の筋肉が衝撃のエネルギーを吸収します。
その結果、首はむち打ち症になり、周辺の筋肉に負担がかかり、背中にも痛みが広がります。この施術ではこわ張った背中の筋肉を緩和します。
術者は、被術者の左側に位置し、体重をかけながら、ゆっくり押します。
指の力だけで押そうとすると、被術者は痛く感じます。強過ぎる刺激は身体の働きを阻害します。
力加減は、被術者が「気持ちいい」という程度がよろしいでしょう。
体重を乗せる感じで押して下さい。特に高齢者に対して行う場合は、力を弱めに加減してあげるとよいでしょう。
背骨を中心に、肩から腰まで上下三センチ間隔で押し下げていきます。
横幅は四、五センチぐらいで、真下に押します。
腰、つまりベルトのあたりまで往復三回ぐらい押します。
次に幅を九、十センチに広げて、やはり二、三回、往復して押しましょう。
一口にむち打ち症といっても症状は様々。個々の症状、首の骨や筋肉の状態をよく見ながら施術しましょう。